Cryptopsy As Gomorrah Burns 感想

今更ながらCryptopsyの新譜を聴いたので、軽く感想を書きます。

 


今作は2023年9月発売のアルバムです。

10年ぶりの新作だそうです。

 


ちなみに何故今更今作を聴いたのかというと、発売当初...というか新曲がYouTubeに公開された当初、僕はデスメタル離れを起こしていたので、新曲を聴いても購買意欲をそそられることがなかったのですが、最近になってまたデスメタルをちょこちょこ聴くようになったせいか、ついにどうしようもなく今作を聴きたくなって、タワレコに買いに行ったという経緯があります。

 


で、ぶっちゃけあんまりバンドメンバーの変遷とか、このアルバムに至るまでの経緯はどうでもよいので、ここら辺の話はあまりしません。

ただ、バンドメンバーに関して話を少し書くと、今作は皆んな大好きジョンレバ先生が参加しておりません。

 


ここの部分で初めから聴く気が起こらない人もいるのではないかと思います。

 


Cryptopsy=ジョンレバ先生と考えるファンが多いイメージが僕にはあります。

しかし、僕はジョンレバさんにそこまで思い入れがなく、ジョンレバ不参加の5th(作曲で参加しているという話は聞いたけど)とか大好きなので、ジョンレバ不在云々はあまり気にせずに聴いています。

 


で、肝心な内容の話に移りますが、今作はズバリ「とても格好いいんだけど、薄味で物足りない感もややある」作品と僕は感じました。

Amazonのレビューとかでも「フックがない」と言われておりましたけど、まあ、そういうことです。

ガガガーと激しく突っ走って短く終わるので聴き心地は悪くないのですが、聴いた後に「どんな曲があったっけ?」となる作品です。

 


しかしですね、ぶっちゃけこの「薄味感」は今に始まったことではなく、昔からCryptopsyを「薄味」に僕は感じていたので、気になるほどではない気もします。

 


ただ、CryptopsyにPhobophileのようなキャッチーな曲をいまだに求めている方には不向きな作品かもしれません。

今作は基本的にそういったキャッチーなメロディは存在しません。部分的にブラックメタル的なトレモロは出てくるのですが、印象的というほどではありません。

 


しかし、そもそも僕は名盤と言われているNone So Vileをあまり好んでなく、基本的には3rd、4th以降のモダンでメカニカルかつカオティックなCryptopsyを好んでいるので、今作の作風は全く違和感がありません。

程よいメロディ感のある1stは個人的に大好きではあるのですが、今更そこまで遡れとは思わないし、今作の路線は非常に納得のいくものです。

 


てなことで、いつまでも2ndの再来を待っているファンにとっては肩透かしをくらう作品かもしれませんが、3rd以降も愛好していらっしゃる方ならすんなり受け入れられる作品かと思います。

ただ海外のレビューサイトなどで5点中4点に届かずに3点くらいしか取れていないのも、納得出来てしまう薄味な作品とも言えます(その一方で勢いのある曲だけでアルバムを構成し、30分ほどでスパッと終わるところなどはReign in Blood的で、纏まりの良さは過去一番だと思うので、そのうち評価が一変して名盤的な扱いを受ける日もくるかもしれません)。

 


あと、書き忘れていましたが、今作はサウンドプロダクションがとても僕好みの作品でした。

普段はあんまり、こういったモダンな音を好まずに、50's〜70'sくらいまでのロックやブルースのサウンドが至高と考えている僕なんですが、今作のサウンドは何故かとても格好良く思いました。

部分的に聴けばギターのサウンドは迫力不足だし、ドラムのサウンドもあまり好みじゃないのですが、全体的に上手くバランスが取れている音に感じます。