Cryptopsy As Gomorrah Burns 感想

今更ながらCryptopsyの新譜を聴いたので、軽く感想を書きます。

 


今作は2023年9月発売のアルバムです。

10年ぶりの新作だそうです。

 


ちなみに何故今更今作を聴いたのかというと、発売当初...というか新曲がYouTubeに公開された当初、僕はデスメタル離れを起こしていたので、新曲を聴いても購買意欲をそそられることがなかったのですが、最近になってまたデスメタルをちょこちょこ聴くようになったせいか、ついにどうしようもなく今作を聴きたくなって、タワレコに買いに行ったという経緯があります。

 


で、ぶっちゃけあんまりバンドメンバーの変遷とか、このアルバムに至るまでの経緯はどうでもよいので、ここら辺の話はあまりしません。

ただ、バンドメンバーに関して話を少し書くと、今作は皆んな大好きジョンレバ先生が参加しておりません。

 


ここの部分で初めから聴く気が起こらない人もいるのではないかと思います。

 


Cryptopsy=ジョンレバ先生と考えるファンが多いイメージが僕にはあります。

しかし、僕はジョンレバさんにそこまで思い入れがなく、ジョンレバ不参加の5th(作曲で参加しているという話は聞いたけど)とか大好きなので、ジョンレバ不在云々はあまり気にせずに聴いています。

 


で、肝心な内容の話に移りますが、今作はズバリ「とても格好いいんだけど、薄味で物足りない感もややある」作品と僕は感じました。

Amazonのレビューとかでも「フックがない」と言われておりましたけど、まあ、そういうことです。

ガガガーと激しく突っ走って短く終わるので聴き心地は悪くないのですが、聴いた後に「どんな曲があったっけ?」となる作品です。

 


しかしですね、ぶっちゃけこの「薄味感」は今に始まったことではなく、昔からCryptopsyを「薄味」に僕は感じていたので、気になるほどではない気もします。

 


ただ、CryptopsyにPhobophileのようなキャッチーな曲をいまだに求めている方には不向きな作品かもしれません。

今作は基本的にそういったキャッチーなメロディは存在しません。部分的にブラックメタル的なトレモロは出てくるのですが、印象的というほどではありません。

 


しかし、そもそも僕は名盤と言われているNone So Vileをあまり好んでなく、基本的には3rd、4th以降のモダンでメカニカルかつカオティックなCryptopsyを好んでいるので、今作の作風は全く違和感がありません。

程よいメロディ感のある1stは個人的に大好きではあるのですが、今更そこまで遡れとは思わないし、今作の路線は非常に納得のいくものです。

 


てなことで、いつまでも2ndの再来を待っているファンにとっては肩透かしをくらう作品かもしれませんが、3rd以降も愛好していらっしゃる方ならすんなり受け入れられる作品かと思います。

ただ海外のレビューサイトなどで5点中4点に届かずに3点くらいしか取れていないのも、納得出来てしまう薄味な作品とも言えます(その一方で勢いのある曲だけでアルバムを構成し、30分ほどでスパッと終わるところなどはReign in Blood的で、纏まりの良さは過去一番だと思うので、そのうち評価が一変して名盤的な扱いを受ける日もくるかもしれません)。

 


あと、書き忘れていましたが、今作はサウンドプロダクションがとても僕好みの作品でした。

普段はあんまり、こういったモダンな音を好まずに、50's〜70'sくらいまでのロックやブルースのサウンドが至高と考えている僕なんですが、今作のサウンドは何故かとても格好良く思いました。

部分的に聴けばギターのサウンドは迫力不足だし、ドラムのサウンドもあまり好みじゃないのですが、全体的に上手くバランスが取れている音に感じます。

Nileの最高傑作について

今回はデスメタルバンドNileの最高傑作は何かということについて語りたいと思います。

 


まだVile Nilotic Ritesを聴いていないので、この作品を除外して考えたいと思います。

 


Nileファン又はメタルファンの一般的な意見を紹介してから、僕個人の考えと最高傑作を紹介ます。

 


それでは早速、メタルファン、Nileファンの一般的意見から。

 


ネットにあるNileの最高傑作を決める記事や作品をランキングする記事を見る限り、Nileはほとんどのバンドの例に洩れず、最高傑作は初期作品から選定され 、2nd〜4thのいずれかを最高傑作とする声が多いと僕は思います。

 


海外では4thのAnnihilation Of The Wickedを最高傑作とする意見が特に多く、マニアは2ndのBlack Seeds Of Vengeanceを最高傑作とする傾向があります。

日本では3rdのIn Their Darkened Shrinesを最高傑作とする傾向が強いと僕は思います。

というのも4th以降のドラマーを務め、海外で絶対的な評価を得ているGeourge Kolliasより、3rd時のドラマーのTony Laureanoを支持する人が一定数いるからでしょう。

僕の思い違いかもしれませんが。

 


そして、Nileの場合、作品のランキングを見ると5thのIthyphallic以降の作品がトップ3に入ることはほとんどありません。

更には5thのIthyphallic又は7thのAt Gates Of Sethuをランキングの最下位にすることが多いのです。ほとんどの場合、どちらも駄作ではないという注釈が付いていますが。

 


Ithyphallicの評価が低い理由は僕の英語力が低いせいか、レビューを読んでもよくわかりませんでしたが、At The Gates Of Sethuの評価の低さは、主にサウンドプロダクションへの批判のから来ていると僕は思いました。

確かに7thはそれまでのNileのサウンドとはやや異なる独特なプロダクションで、音質にうるさいメタラーの反感を買ったのも理解できます。

しかし、ソングライティングにフォーカスして批判されているようには感じませんでした。

 


Ithyphallicも同様でソングライティングへの批判は少なく感じます。

ちなみにタイトルのIthyphallicというのはペニスの勃起を意味するラテン語らしく、それが英語圏のファンが感じる不満点かもしれません。

 


常に同じくらいのクオリティをキープしているNileの作品をランキングする際には、上記のような割とどうでもいい、細かいマイナスポイントがどれくらい含まれているかで、消去法的に最高傑作を選定しているようにも思えますね。

 


それでは次に僕の個人的な最高傑作とそれに関連するNileの話をしようかと思います。

 


まず初めに言っておきたいのは、僕はNileの作品をどれもおおよそ同じクオリティだと感じています。

ただし、僕が個人的に感じるNileに対する不満点があり、そこが一般的な意見と相違があり、アルバムに対する評価も一般的評価とかなり変わる部分があります。

 


それで、僕が感じるNileへの不満点というのがスローテンポ、ミドルテンポの曲と映画のサントラのような曲がつまらないということです。

僕がNileを聴く時に、ほとんど場合において邪魔だと感じるのはこの2タイプの曲です。

そして、Nileのアルバムは例外なくこれらのタイプの曲が含まれています。

 


おそらくNileがデスメタルバンドとしてここまでの地位を築けたのは、古代エジプトを想起させる仰々しいスロー、ミドルテンポの曲と、映画のサントラを思わせる壮大なインストによるところだと僕は考えていますが、僕はスローテンポの曲やサントラ曲を評価しないスタンスなので、ここの部分で僕と一般的な評価の乖離があります。

 


僕は民族系の音階(スパニッシュスケールやオリエンタルスケール、又は民族系とは言わないけどハーモニックマイナースケールなど)を使った速い曲だけを僕はNileに求めています。ぶっちゃけ。

 


そして、スローテンポ曲とサントラ曲をつまらないと考えるスタンスでNileの作品を聴いた場合に、スローで長い曲が3つも含まれている4thと、サントラ系インストが多い2ndは僕にとって最高傑作と言い難くなります。

そして、4thは速い曲もリフがかなり淡白でつまらないと僕は思いますし、2ndは速くても曲の構成などが練られていない作りかけのような曲が多いので、ここのところもマイナスポイントになります。

 


3rdに関しては、SarcophagusがNileのスローテンポの曲にしては面白いので、2ndや4thより僕の評価は高くなります。

ただ7曲目のサントラ曲や、最後の4部作がつまらないので、そこはやはり大きなマイナスポイントに感じますし、一般的な評価ほど僕の中では良くありません。

 


2nd、3rd、4thに続いて評価の高い6thのThose Whom The Gods Detestに関しても、やはりスローテンポな5曲目の4th Arra Of Dagonがかなりつまらないことが大きく影響して、僕の評価は高くありませんが、5曲目やサントラ曲を除けば割と良曲が詰まっているように感じます。

 


そして、そのように評価していくとスローな曲やサントラ曲を含みながらも、全体に短くサラッと走り抜ける1stや、スローテンポの曲のつまらなさは相変わらずなものの、速い曲が面白くなっていて4thのアップデートバージョンとも言える5th、サントラ曲が短くスローテンポの曲もそこまで邪魔にならないし、個人的には音質も気にならない7th、つまらないスローな曲やサントラ曲も例に洩れず入っているが、Evil To Cast Out Evilというキラーチューンがあり、全体的にソリッドで纏まりのある8thは僕の中でかなり評価が高くなっています。

 


なので、僕にとっての最高傑作はこの4つから選ぶことになります。

ぶっちゃけかなり拮抗していて選ぶのがとても難しいのですが、今回は最高傑作を選ぶ記事なので、今の僕の気分で一つ選びたいと思います。

 


ズバリ、僕的最高傑作は....

 

 

 

 


7thのAt Gates Of Sethuです!!

 


この作品がスローテンポ曲とサントラ曲のウザい度が一番低いと感じたのでこの作品を選びました。

まあ、でも気分によって変わるので明日になれば、1stや5th、8thが一番になるかもしれません。

 


てなことで、散々長々と前置きを書いた割には合理的な説明なく、気分で最高傑作を選定するという情けない記事になりましたが、お許しください。

 


追記

 


僕にとってNileのつまらないポイントがもう一つありました。

これはスローテンポの曲がつまらないことにも起因することなのですが、ずばりドラムのリズムです。

Geourge Kollias参加以降顕著に感じますが、ひたすら単調にバスドラムを踏み続けるスタイルは僕の好みではありません。

適度な隙間のないリズムは、リズムによる高揚感(所謂グルーヴ)を得られにくいと僕は考えています。

Nileの場合、速い曲だとその単調なバスドラムドコドコもあまり気ならないのですが、スローテンポの曲だとリズムのつまらなさが露呈してしまっていると僕は思います。

ブラックミュージックのようにノリノリになってしまってもおかしいと思うので、そこらへんの塩梅は難しいのでしょうが、もっとリズムに面白さがあるといいなと以前から感じていました。

上手いドラマーなのにリズムがつまらないのはなんだか残念なので、今後リズム面での変化があると良いなとNileに期待しています。

イングヴェイのMagnum Opusが過小評価されていることについて

はい、どうも、今回はタイトルにあるようにイングヴェイのMagnum Opusについて書きたいと思います。

 


この作品はイングヴェイファンの方ならご存知の通り評価が芳しくありません。

しかし、この作品はタイトルにMagnum Opupと示してあるように、当時のイングヴェイにとって自信作であり、非常に過小評価されているアルバムだと僕は感じています。

 


このアルバムを手元にお持ちの方はもう一度、冷静になって聴き直してみてください。

 


普通に良いと思いませんか?

 


悪い曲なんて見当たりませんよね?

 


僕は、今作の評判の悪さは暗い曲の多さが起因していると考えています。

 


というのも、これの一つ前のThe Seventh Signは非常にポップで明るい印象のアルバムでした。

Magnum Opusリリース時のファンの多くは、The Seventh Signの雰囲気を継いだ作品を期待したのではないでしょうか。

このMagnum Opusは一部の曲を除きThe Seventh Signのような明るさやポップさがありません。

 


ですから、ファンの期待を悪い意味で裏切る形になってしまい、そのために評価が低いのだと思います。

 


ちなみにキラーチューンのインパクトの大きさではThe Seventh Signに劣ると思うものの、統一感ではMagnum Opusの方が上と僕は感じます。

 


何故なら、僕はThe Seventh Signをよく言えばバラエティに富んでいると、悪く言えば散漫だと思うからです。

 


例えば、最強メタルチューンであるNever Dieでスタートダッシュを決めたかと思いきや、次の曲のI Don't Knowでいきなり急ブレーキをかけて、ガラッとロックな雰囲気へと変えたり、さらにはその次のMeant to Beでは最早ハードさのカケラもなかったりするわけです。

おまけにアルバム中、2曲もバラードが含まれており、アルバム全体のポップさに貢献してはいるものの、メタルという音楽性から離れたものが多く含まれています。

 


個人的にはNever DieやThe Seventh Sign、Crush And Burnのようなメタルチューンを聴きたいので、雰囲気をあっちやこっちやにコロコロと変えるこのアルバムを散漫と感じるわけですね。

 


その点、一部そういった雰囲気の違う曲を含みながらも全体的にダークでヘヴィ、そしてメタリックに仕上げたMagnum Opusを僕はThe Seventh Signより好印象に感じています。

 


ちなみに、このアルバムで僕が特におすすめしたいのはTommorrow's Goneです。

滅茶苦茶ヘヴィで疾走感はありませんが、この荘厳なアトモスフィアは中毒性が高く、イングヴェイの曲としてはマイナーな作風でありながら、僕の琴線に触れまくりなのです。

 


ということで、Magnum Opusを褒めるというよりは、The Seventh Signを貶すような記事になりましたが、以上になります。

 


読んでいただきありがとうございました。

メタリカのアルバムを適当にランキング

今回は、そんなにメタリカを好きでもない僕が、適当にメタリカのアルバムをランキングする記事です。

 


何故メタリカをそこまで好きではないかは、各アルバムのコメントを読めば察することと思います。

少し挑発的な内容となるので、苦手な方はスルー推奨です。

あとあまり聴き込んでいない作品もあって、適当な事を書いていますが、軽い気持ちで読んで下さい。

 


それでは早速最下位からスタート。

 


11位Kill 'em All

 


はい、まずは1stです。この時点でメタリカファンの皆さんはブチ切れる可能性がありますが、これはあくまでも僕の意見なのでそこのところをご了承下さい。

この1st、勢いがあって非常にアグレシッブな作品ではありますが、いかんせん曲があまり良くないと僕は思います。

あ、でも1曲目と7曲目は好きですね。

他は全くと言って良いほど、聴く気にならない楽曲です。

一般的にはMotorbreathやJump in the fire、Whiplash、Seek & Destroyなどが名曲とされているようです。

 


10位...And Justice for All

 


はい、またファンブチ切れ案件ですが、これも1stと同じように好きな曲があまりにも少ないので、僕にとってはこの位置です。

BlackenedとDyers Eveが名曲なのは認めます。もう大賛成。

でも他の曲は残念ではありませんか?

ベースが聴こえていたらもっと良くなっただろうとか、サウンドプロダクションのせいで楽曲の魅力が軽減されている的なことを耳にしないでもないのですが、僕はそう思いません。

サウンドプロダクションやらベースやらは、僕の評価に全く影響しておらず、このアルバムの評価を悪くしているのは単純に曲の出来です。

それに、サウンドに関して言えば、むしろドラムの音はかなり好きだったりします。

あとOneは名曲とされていますが、僕としてはこういったメロウな(メロディアスという間違っている方の意味ではなく、本来のメロウの意味で捉えてください)タイプの曲はアルバムの流れを悪くするので好きではありません。

バラードを聴きたくてメタルを聴いてるやつなんかいないだろうと思うんですが、皆さんはどうでしょうか。

ラーメン屋に来たのに寿司を食わされるようなものです。

メタルを聴きたいからメタルのアルバムを買っているんであって、メタルのアルバムで何故バラードなんかを聴かされないといかんのか、という話ですよ。

更に言うならメタルの曲にエレキギタークリーントーンやアコギなども不要だと僕は思っています。イントロなどにほんの少し使うだけなら良いのですが、主要部分に大々的に使うのは好きではありません。

だってメタルに求めているのは歪んでいるギターの音でしょう?

 


9位Master of Puppets

 


はい、またまたブチ切れ案件です。

しかし、これもまた好きな曲が少ないからという理由でこの位置になります。

冒頭2曲とケツの2曲が名曲なのは、世間の意見に違わず僕も同意します。

特にタイトルトラックはスラッシュメタルを代表する名曲でしょう。これほど完成度の高いスラッシュメタルは他にないと思います。

プログレッシブでありながらも攻撃性を失わない絶妙なバランス感覚は見事で、音楽理論的には大して凄いことをやっているわけではないのですが、当時のメタルからしてかなり進んだ内容に思えます。

ただし、3〜6曲目がかなり弱く、全体的に良いアルバムとは言えません。

5曲目などは長尺で、タイトルトラックのような内容を期待させますが、実のところつまらないリフとつまらない歌メロが詰まった曲で、僕としてはかなりがっかりの出来に感じます。イントロのかっこよさは特筆すべきものがありますがね。

4、6曲目は、後半で盛り上がりを見せる曲ですが、いかんせん前半部分の魅力に乏しく、始めから面白いフレーズ入れといてや!と僕は思いました。

3曲目は普通につまらない曲です。すんません。

ちなみに僕が一時期メタリカを苦手になったのはこのアルバムが原因だったりします。

3〜6曲目の良さを全く理解できず、「世間ではあれほど評価されているのに、何故俺にはわからないんだ!」と何度も何度も聴いた思い出があります。そして聴けば聴くほど3〜6曲目を嫌いになり、今ではアルバム全体の印象も悪くなっています。トラウマアルバムと言っても過言ではありません。

3〜6曲目が良くない楽曲であることを早く悟るべきでした。

 


8位Metallica(Black Album)

 


これまたファンに怒られそうな位置ですが、嫌いな曲の多さでこの位置にしました。

ですが、8曲目までは大体好きです。

初めて聴いた時は、長くてつまらんアルバムやな、と思ったものですが、聴けば聴くほど味が出て好きになりましたね。

8曲目なんかは僕の嫌いなバラードタイプの曲ですが、何故かこれは好きです。何故かは知りません。でもバラードじゃなくて、メタリックな曲だったらもっと好きだったかも、というのは思わないでもないです。

2、3、7曲目はやや苦手ではありますが、許容範囲です。

1、4、5、6曲目は大好きです。

6曲目の評価は世間的にはかなり低いようですが、どうやらそれは歌詞の内容によるものなので僕にはなんら関係がありません。

9曲目からの楽曲はかなりクオリティが落ちます。

リフにも歌メロにも魅力が乏しいと僕は感じます。ファンの中にはここからの4曲がブラックアルバムの本質だと言う人もいるようですが、僕はそう思いません。普通につまらないです。

あ、嘘です。12曲目は良いです。

 


7位St.Anger

 


ここからのアルバムはぶっちゃけ日によって順位が変わるくらい好きなものばかりです。

で、今日の気分では7位がSt.Angerです。

カンカンドラムの評判がすこぶる悪いため、このアルバムの評価は世間的に最悪のようですが、僕は好きです。

更に世間の意見とは異なって、初期とは比べ物にならないくらい曲作りが上手くなっているように僕は感じます。

全部の曲がくどいくらい長いのが難点ですが、アルバムを通して伝わってくる怒りのエネルギーが僕には心地よいです。

ただ、このアルバムでのジェイムスの歌が苦手だと言う意見は理解できます。僕も少し苦手に感じる部分があるので。

ちなみにこのカンカンスネアが苦手というのは、多分メタル界隈の人だけかと思います。他のジャンルの音楽を聴けば、これほどではなくともカンカンしたスネアというのを結構耳にします。

 


6位Load

 


ReLoadとどっちがどっちかなぁ、と結構迷いましたが、今日はLoadが6位の気分です。

で、何故Loadの方が劣るのかと言うと、ずばり3曲目です。

この曲いるか?いらんやろ。しかもなんで3曲目?

もう不思議で仕方ありません。

バンドメンバーもこの曲のつまらなさに後から気づいたのか、あまりライブで演奏していないようですね。

であと、Mama Saidとかも個人的にはダメですね。だから、メロウな曲を入れるなっちゅうの!って思いました。

まあ、それでも全体的には好きな曲が多く、心地いいアルバムに感じました。

突出した曲は少ないかもしれませんが、僕は全体的なクオリティを重んじる派なのでこの順位です。

ちなみにこの時期のメタリカをロックだと思っているのは、ロックを碌に聴かないメタルファンだけです。

スラッシュじゃないってだけで、普通にメタルにカテゴライズされる音楽です。

 


5位ReLoad

 


気持ち的にLoadと僅差なんですが、上記の通り、Loadの方は序盤の3曲目で躓くので、こっちの方が流れが良いかなと思い、一つ上の順位にしています。

おそらくこの時期のメタリカが嫌われたのは音楽性の問題ではなく、バンドの言動が原因と思われます。

長い髪を切ったり、メタルは時代遅れだと言ったり、オアシスを好きだと言ったり、そういったメンバーの言動が反感を買ったのだと思います。リアルタイムの世代ではないので、確信はありませんが。

曲の話をすると、Unforgivenの続編はぶっちゃけ余計なことをしたな、と思いましたが、全体的に良い曲が多いと感じます。

Loadと同様、初期のようなキラーチューンはないかもしれませんが、全体的に安定感があり、楽曲のクオリティは非常に高く感じますね。

またまたバラードというかメロウな曲が入ってますが、本当にいらないと僕は思います。

 


4位Death Magnetic

 


これはスラッシュメタルというか正統なメタルに回帰したとされる作品です。

良いメロディを持った曲が揃っており、個人的にかなり好きなアルバムです。

ただし、リフは弱いかなと感じますね。

その反面、メロディアスな歌メロや、ハモリを使ったギターメロディは非常に効果的に使われていると思います。

1〜3、5、8、10曲目はどれも素晴らしい出来で、名曲と呼んでも良いと思います。リフは弱いけど。

で、例の如くメロウな4、7曲目はいらないと思いました。

4曲目の評価は高いようですが、僕は好きではありません。初めて聴いた時、To Live is To Dieの焼き直しじゃねぇか!とツッコミました。

そして、良い加減Unforgivenに執着するのもやめてほしいものです。

あと、4曲目のメロディや雰囲気が4thの曲に似ているからか、アルバム全体も4thに近いと評されていますが、僕はそう思いません。

もっとちゃんと聴けって話ですよ。

僕も人のことは言えませんが...。

 


3位Hardwired...To Self Destruct

 


ここからトップ3です。

この作品はかなり最近のアルバムというイメージがありますが、実はもう8年前という衝撃的事実。

全体的にハードな曲が多く、ソリッドな印象を受けるアルバムです。

メロディに関してはDeath Magneticの方が良いのですが、あっちはやや散漫なのに対して今作は非常に纏まっていると感じます。

リフも良いとも悪いとも言えない微妙な感じで、全体的に薄味な感じがしますが、纏まりがあると言う点で高評価です。

そしてやはりまたメロウな曲が入っていたり、2枚に分かれていたりとマイナスポイントもあります。

ちなみに名曲とかそういった突出したものはありません。全体的に平凡。

でもなんか好きなので3位という順位になりました。

あと、サウンドプロダクションは非常にクリアな感じですが、僕の好みとは180度違うのでそこもマイナスポイントです。こういう音質って誰得なの?と個人的に感じています。

特にギターの音なんかは全然格好良くないと僕は思うのですが、どうでしょうか?

 


2位72seasons

 


なんとなんと最新作がこの順位になりました。

前作のHardwiredの延長線上の作風です。ハードでソリッドだけど、地味で平凡というところまで同じです。

ただ全体を通してのムラのなさはメタリカ作品中一番だと感じます(あ、1st...)。

と言うのも、なんと全てメタリックでハードな曲なのです。

メロディ面では前作より更に派手さがなくなり、人によってはかなり取っ付きづらい作品かと思いますので、否定的意見もわかります。

リフもかなり地味になっており、ここもマイナスポイントと言えるのですが、やっぱり全体的な纏まりが良いので高評価です。

そしてやはりこのクリアなサウンドプロダクションは僕の好みではありません。

なんなんでしょう、このギターの音。

この音を格好いいと思う感性を今の僕は持っていません。

 


1位Ride the Lightning

 


ということで、1位はこれなわけですが、ここにきてやっとファンの方にも納得いただける順位が出たのではないかと思います。

ぶっちゃけ曲の作り込みは後の作品に比べて劣っていたりするわけですが、メタリカがちゃんとスラッシュをやっていて、ノレる作品はこれしかないということで、これが一位です。

メタリカの場合、作り込めば曲が良くなるかというとそうでもないので、作り込みもほどほどで、勢いが乗っているこの作品がメタリカの作品群の中で最強と言えるでしょう。

3rdなどは作り込みすぎて、悪い方向に転がった曲が多いのかなと、文を書きながら思いました。

もうね、変な音程とか変なリズムとか使わずに、ストレートにスラッシュしてくれればいいんですよ。

ちなみに変なメロディといえば、のちの作品に頻繁に使われるようになった無意味な減五度の音程を、この時はまだ使っていません。

多分。

3rdの頃からメタリカは減五度にこだわっている節があって、特に演奏効果があるわけでもないのにも関わらず、減五度の音程をリフにやたら使うんですよね。なんなんだろう。僕には理解できないフィーリングが彼らにはあるんでしょうね。

話を2ndに戻すと、この作品をスラッシュなアルバムと言いましたが、4曲目にバンド初のバラード曲が含まれており、ただスラッシュしているだけではありません。

個人的には、この曲もバラード嫌いの法則に則ってあまり好きではありませんが、後のほとんどのバラードに比べればだいぶマシな出来なので、許容範囲とします。

7曲目はスラッシュなメタリカの曲として傑作とされています。

この曲が傑作ということにほぼ賛成ではありますが、個人的にサビの歌メロがなにやらおかしくって、そこだけあまり格好良くありません。

8曲目のインスト曲は買った当時、すげぇ曲だなぁ、と感心したものですが、冷静に聴くと結構つまらなかったりします。でもそこまで嫌な感じはしないですね。

あと、6曲目はポップな曲で、本人達は駄作だと思っているらしいのですが、客観的に聴けば普通に良い曲ですよね。

あとはなんと言っても1曲目で、イントロの不思議なメロディでズッコケますが、本編はかなりの出来です。

これが1曲目だからこそ、このアルバムは名盤になった、と言っても過言ではないでしょう。

 


あとがき

 


というわけで、メタリカの作品を適当にランキングしてみました。

途中、書くことがなくなって文の少ないところがありますが、ご容赦ください。

そして何よりも、こんな上から目線の偉そうな駄文を書いたことをお許しください。

 

追記

 

音楽とは関係のない余談ですが、メタリカのジャケットってなんだかつまらないものが多いですよね。

最新作の72seasonsにしても、こんなジャケットで誰が買いたくなるねん!という美的センスの悪さ。

1stや2ndのジャケットはまあまあ好きですけど、もうちょっとアートワークにこだわってほしいな、と思います。

てかメタルバンド大体そう。美的感覚が悪すぎる!

Judas Priestにしても70'sの頃はかっこいいジャケットが多かったのに、80'sになってからはダサジャケばかりじゃねぇか!

ジャケットがイマイチ=音楽もイマイチなんだろう、と考えるのが一般人だからね、リスナーを増やしたいんなら、もうちょいジャケットにこだわってくれ!

安っぽいCGやパッと見て気持ち悪いジャケット(メッセージ性なども特にない無意味なグロ表現など)、あとは色が汚い(色彩が気持ち良くない)絵とか、そういうのは本当にやめた方が良いと思いますね。

この基準で見ると、ほとんどのメタルのジャケットは不合格になりますが、これが僕の意見です。

メタルが他のジャンルと比べ、明らかに劣っているのは、ジャケットのセンスと言っても過言ではないでしょう(音楽性の優劣は、個人の好みの問題であってほとんどナンセンスでしょう)。

Yngwieのトリロジーがあのジャケットで売れたのは、80'sで皆んな頭がおかしかったからだと思っています笑

調性のあるデスメタルの単音リフの作り方(最後にtabアリ)

この記事では、今の僕の感覚で良いと思えるデスメタルの単音リフの作り方を、僕なりにお伝えしようかと思います。

 

ただし、僕は音楽経験が豊富というわけでないので、「少し知識をつけたトーシローが蘊蓄を語っとるな」くらいに思って頂けるとありがたく思います。

 

それでは本題です。

デスメタルには大きく分けて2つのタイプがあると僕は思っています。

その2つというのは「調性の感じられるもの」と「そうでないもの」です。

調性というのは音楽用語ですが、説明するのが難しいので詳しいことは自身で調べてください。

ただ、調性のある音楽というのを簡単に説明すると、「スケールやハーモニーの統制がとれており、音楽理論に当てはまった状態にある音楽」という風に考えてもらって問題ないと思います。

 

それで今回紹介するのは調性のあるデスメタルの単音リフ作曲法です。

調性のないデスメタルを作りたいのなら、12音の中から好きなように音を並べる(或いは調性感のないディミニッシュやホールトーンなどのスケールを使う)とそうなるので、あまり言うことがありません。

 

ちなみに、今回紹介するのは基礎的な音楽理論の話なので、音楽理論を体得している方なら特に収穫のない記事になるかもしれません。

 

では早速、リフの作り方の大まかな手順を紹介します。

 

1 コード進行を考える。

2 考えたコード進行に沿ってメロディをつける。

3 デスメタルらしく刻みのアレンジを加える。

 

作曲に於いて当たり前のことを書いただけに見えますが、この3つの手順でリフを作れば失敗しにくいと僕は思っています。

 

小さい頃からピアノなどを弾いてクラシックの感覚が身についている場合ならまだしも、そうでない場合にはフィーリング100%でリフを作ることを僕はおすすめしません。

所謂、捨てリフになる可能性が非常に高いからです。

 

ではまず1の「コード進行を考える」から説明します。

 

皆さん、コード進行がどういったものかご存知でしょうか?

コード進行というのはハーモニーの流れという意味なのですが、音楽には適切なハーモニーの流れというものがあります。

さて、ここである疑問を抱く方もいらっしゃるかと思います。

「ハーモニーなんてほとんどないデスメタルでコード進行だと!?」と。

確かにデスメタルに於いてハーモニーが存在する場面は少ないのですが、僕の持論ではコード進行を想定したリフに良いリフが多いのです。そして、コード進行の概念のないメロディよりメロディアスに聴こえるため、演奏効果も高くなります。

なので、コード進行を考えるということに非常に意味があるのです。

更には、適切なコード進行を理解していないと、ダメなメロディを作ってしまう可能性がグンと上がります。

というのも何故か人というのは間違ったコード進行の音楽を聴くと不快に思ったり、感動出来なかったりするからです。

例えば、音楽を聴いていて「んー、ここのメロディがなんか気持ちよくないなぁ」とか「一瞬良いところがあったのに、なんか残念な方向にメロディが行ったなぁ」という時はコード進行に問題がある可能性があります。

なので、まずはコード進行に対する理解を深めるのが得策なのですが、コード進行を理解するというのは「音楽理論を学ぶ」というのとほぼ同義なので、ここでは根本的な説明はしません。

 

ちなみに「理論を学ぶとオリジナリティがなくなる!」と言う方をちらほらネットで見ますが、僕は無知が故のオリジナリティにあまり肯定的ではありません。大抵の場合、無知が故のオリジナリティを体現した音楽というのは、ただの欠陥品に聴こえます。

僕の持論では、余程の天才でもない限り、無知を評価されることは少ないかと思います。

それで評価されている人というのは天才で間違いないでしょうし、そういった人のやり方というのは凡人向きでない可能性があります。

それに普通に考えて、知識はないよりある方が良いと思うんですが、どうでしょうか。

今まで生きてきて「あの知識がなかった方が人生が豊かだった」と思うことなんて稀ですよね。そういうことです。

それに音楽理論なんてものは取っ付きづらいだけで、大して難しいものではありませんし、知って後悔するような怖い情報も含まれていません。全て役に立つ便利道具のようなものです。

 

話が脱線しましたが、じゃあ、どうやってコード進行を考えるねん!って話なんですが、ズバリ考えません!

考えずに、ネットから定番のコード進行をとってきましょう。

これまた意外な話かもしれませんが、音楽には定番のコード進行というものがあります。

メタルも例に漏れず定番の進行がたくさん使われています(そしてそれらの曲が人気の場合が多い)。

で、その定番のコード進行を使えばおおよそ良い曲になります。もちろん100%ではありませんが。

一応、ここにメタルで使えそうな循環できるコード進行をいくつか書いておきます。

 

全てキーAmで表記します(Amを使えということではありません。あくまで例です。例に挙げている曲のキーが、必ずしもAmと言うわけでもありません)。

 


mがつくものはマイナーコード、何もつかなければメジャーコード。

 


[]の中には番号を記しています(コード進行のことを記す際、ほとんどの場合数字で表記します。これはどのキーであるかに関わらず相対的な音の関係を表せるからです。マイナーキーの場合、1をマイナーの主音にすることもありますが、ここでは1をメジャーキーの主音とします。Amの場合Cが1に相当します。Cから考えて6番目に相当する音がAなので、Amが6となります)。

 

1・Am→F→G(→C)

[6451]

数えられないくらい使われているコード進行。

ポップスの領域では小室進行と言われていたり。

メタルでも非常に多く使われている(デスメタルじゃないが、アイアンメイデンはこればっかりな気がする)。

最近の曲だとObscuraのWhen Stars Collideのリフがこのコード進行を想定して作られたと思われる。

最後にCに行くかどうかは好み。

 

2・Am→F→G→E

[6453]

前の進行とほぼ同じだが、最後にEに行くバージョン。最後のEはEmでもよし。Eだとマイナー臭がキツくなり(メジャーコードなのに何故?と思うかもしれないが)、EmだとマイルドになってややJpop感が出る。

 

3・Am→G→F→E

[6543]

やや音楽理論から外れる進行だが、メタルでの使用率高め。

最後のEはEmでもOK。Eにするとラテン系というか民族臭キツめ。

 

4・Am→G→Em(→F)

[6534]

ん?メタリカの臭いが!又はIn Flamesの臭いが!

これもEmの扱いは自由でEでも可。Fはあってもなくても良いが、循環させるとF→Amという違和感のあるコード進行になるので注意。

ただデスメタルなので少々の間違いはOKとしよう。

 

5・Am→Dm→E

[623]

やっとここでマイナーのスリーコード。

定番というか音楽の基本のような進行。上記のものはメジャーキーのコードが混じるので、それでは明るすぎる!と思う方はマイナー臭しかしないこのコード進行がオススメ。

EはEmでも良し。しかしEmにすると暗さがマイルドになる。

 

6・Am→Bm♭5→E

[673]

上のスリーコードのツーファイブ版。聴いた感じでBm♭5にするか、Dmにするか決めたら良い。かなり暗い。

 

7・Am→Em→F→G

[6345]

個人的に感動する進行。ただマイナーっぽくないと感じる可能性も。

メタルでの使用例は知らないが、ちょっと前に流行ったポップスで使われていた気がする。たしか、Da-iCEシトラス

EmをEにしても良いが、この場合はEmの方が風情があると思う。

 

8・Am→F→B♭→E

[647♭3]

少し特殊なコード進行。Bm♭5ではなくてBを半音下げたB♭を使うところがミソ。キーの主音に対して半音上にできるメジャーコードをナポリのⅥまたⅡと言い、これがそう。

ジョンレバサーがこのコード進行を考えて作ったかどうかわからないが、Phobophileのあのリフはこれに当てはまる。

 

ざっとこんなもんでしょう。

とりあえずは上記のコード進行でリフを作ってみましょう。

 

それでは2の「考えたコード進行に沿ってメロディをつける」について書いていきます。

 


コード進行が決まったところで、次はメロディ作りにとりかかるわけですが、何も考えずに音を並べるとコード進行を決めた意味がないので、ここではコードに対してどうメロディをつけるかを紹介したいと思います。

ただし、本来メロディ作りは自由なので、ここで紹介するやり方が正しいメロディの作り方というわけではありません。

 

キーAmの曲のほとんどはAmコードから始まるので、まずはAmにどうやってメロディをつけるか考えてみましょう。

 

ここで基礎的な話になりますが、コードというのは、3つの音で成り立っているのが基本の状態となります。

Amの場合、A、C、Eという音がAmを構成します。ここにもう一つ足してA、C、E、Gとしても良いでしょう(Am7になりますね)。

 

これらの3つ、或いは4つの音をコードトーンと言い、コードにメロディをつける際はこのコードトーンを中心に選ぶのが定石となります。

つまりAmの上にメロディを作るならば、A、C、E(+G)の音をメインに作るわけです。

しかし「コードトーンをメインに」と書いた通り、コードトーンばかりを使うわけではありません。

そこで登場するのが、経過音や倚音という考え方です。

 

例えばAからCに行く間にBを入れたメロディを作ったとします。この場合、Bというのが、AからCに行く経過にある音ですので、正に経過音となります。

 

次に倚音ですが、これはもっと単純です。例えばAの音から始まるメロディを作ったとします。しかし、それだけでは物足りないと感じ、Aの前にAの一つ下のG、或いは一つ上のBを入れたとします。

その付け足したGやBの音を倚音と言います(ちなみに半音下からの倚音はスケールに合う合わないに関わらず有効です。何故かは知りません。逆に半音上からは聴こえが悪いことが多いので要注意。コードトーンの半音上というのはアヴォイドノートと呼ばれます)。

 

つまり、メロディというのはコードトーンを中心に使いながらも、倚音や経過音というコードトーンから外れた音も使えるわけです。

しかし、コードトーン以外の音を使いすぎるとそのコードらしさが消えるので、程々にしましょう(鳴っている時間の割合が半々なら良いのですが、コードトーン以外の音が半分以上を占めるようなら、そのコードを連想させられないかもしれません)。

特にデスメタルの場合、伴奏がないことが多いので、メロディだけでコードを連想させなければなりません。なので尚更コードトーンとコードトーン以外の音のバランスをよく考えましょう。

 

後、メロディ作りに於いて注意する点は音の跳躍です。減五度、七度、オクターブ以上の跳躍は好ましくないと僕が読んだ本に書いてありました(度数に関しては自身で調べてください。すみません)。しかし必ずしも悪いわけではないと僕は思います。

個人的には四度の跳躍も慎重に扱うべきかと思います。おかしく聴こえることがあるからです。おかしく聴こえるかどうかはフィーリングで判断してください。

ちなみに一番安全なメロディの作り方は音の跳躍をしないことです。隣の音にばかり移動していれば、不自然に聴こえないと言われています。

 

それと書き忘れていましたが、例えばキーAmに対してE(Amのドミナント)が出てきた場合に、Aのナチュラルマイナースケールでは対応出来なくなりますので、その時はハーモニックマイナーかメロディックマイナーを使用してメロディを作ってください(Eの三度の音がGではなくG♯になるため)。

 

それでは最後に3の「デスメタルらしく刻みのアレンジを入れる」を説明します。

 


例えば2の方法でコードAmに対してABCBCというメロディを作ったとします。

これが16部音符の速いフレーズであれば問題ないのですが、仮に伸びやかなメロディになったとしましょう。

全然、デスメタルではないですよね?

もちろん、Arch EnemyIn Flamesなどのバンドはこういった伸びやかなメロディを使いますが、それは例外として、攻撃的なフレーズにしたいのならばこれは不適切と言えるでしょう。

その場合には、当たり前のことですが、刻むんです。

刻むしかありません。

テンポ110くらいの場合には16分音符でも良いし、腕に自信があるのなら32分音符で刻みましょう。

 

そして、その刻み方にもやり方がいくつかあると思います。

まずは、伸びてるメロディをそのままトレモロフレーズにしてしまうのが、一番簡単な手法と言えるでしょう。

上記のメロディをトレモロにしたものをあえて字で説明するなら、AAAABBCCBBBBCCCCと言うことです(リズムに関しては僕が勝手に設定しました)。

これはオールドスクールデスメタルなやり方で、オールドスクールデスメタラーは積極的にトレモロを用いましょう。

 

次のやり方はメロディの間にメロディより低いコードトーンを挟むというやり方です。

これは所謂、スラッシュメタル系のものから、テクデス系のものまで幅広く使えるやり方です。

先程と同じように字にすると、AeeABeCeBeBeeCeCにするといった感じです(間に挟むコードトーンを小文字にしました)。

キーAmの場合はEの音がギターのスタンダードチューニングの6弦の開放弦になりますので、tabで表すと5-0-0-5-7-0-8-0-5-0-5-0-0-8-0-8という風にギター向きの弾きやすいフレーズになります。

他にもこれの応用をするなら、AeG♯ABeBCeBABeCBC(tabで表すと5-0-4-5-7-0-7-8-0-7-5-7-0-8-7-8)という風に細かいメロディの動きをつけても良いでしょう。

 

ちなみに間に挟むコードトーンの選び方ですが、ルート→五度→三度の順で優先順位が高いと思います。その優先順位で選べない場合は、上の例の様にギターで弾きやすい音を選びましょう。

 

このタイプのリフの作り方は古典的なロックやメタルでも見られましたが、僕の中ではAt The GatesとNecrophagistの二つのバンドのイメージが強く、これ系のバンドが好きならやらなければならない手法と言えるでしょう。

 

それとこれ系のリフならやらなければならないことがもう一つあります。

それはコード進行の変化に合わせ間に挟むコードトーンを変えることです。

例えばAmからFに移行した際、トップのメロディはそのままでも良いのですが、間に挟む音をeからfに変えなければなりません。

ギターの場合、トップのメロディが同じでも弾くポジションが変わるので面倒だと感じるかもしれませんが、これをやるのとやらないのとでは演奏効果がまるで違います。

特にコード進行に於いて、AmからF、或いはGに行くというのは定石パターンで、これをするだけで一気にメロデス風になります。

At The GatesのBlinded by Fearのリフでも、間に挟まっている0の刻みが8に変わるところがありますよね。アレです。

 

AmからFの場合、Fの時に間に挟む音として特に効果的な音はルートのfでしょう。

仮にコード進行がAmからDmだったとしても、あえてdを選ばずにfを選ぶとかなりメロデスになります。

他にも、コード進行がAmからGの場合は、ルートのgを選ぶのが最善である場合が多いでしょう(あくまで僕の感覚ですが)。

 

というわけで、このタイプのリフを作るならば、コードトーンに合わせて間の音を変えることが必須と言えるでしょう(もちろん、トップのメロディもコードに合わせて変えてください)。

 

さてさて、かなり長く拙い文章になりましたが、ざっくり単音リフの作り方を説明できたと思います。

画像無しの全て字での説明となりましたが、初めての記事ですので、ご容赦ください。

ただ基礎的な話を長々としただけですが、ここいらおさらばしようかと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

追記

やはり画像が全くないのは良くないと感じたので、上記の僕が作ったリフのtabを貼っておきます。

Am以降のフレーズはアドリブで作りました。ギターのポジション的に弾きにくい形になっているかもしれませんが、ご容赦下さい。あとミスもあるかもしれません。

それとアプリの都合上、ほとんどの音にpmがついていますが、気にしないでください。

コード進行はAm→F→G→Eとなっています。

何かのパクリみたいに聴こえるかもしれませんが、ちゃんと自分で考えて作りました。

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