今回はデスメタルバンドNileの最高傑作は何かということについて語りたいと思います。
まだVile Nilotic Ritesを聴いていないので、この作品を除外して考えたいと思います。
Nileファン又はメタルファンの一般的な意見を紹介してから、僕個人の考えと最高傑作を紹介ます。
それでは早速、メタルファン、Nileファンの一般的意見から。
ネットにあるNileの最高傑作を決める記事や作品をランキングする記事を見る限り、Nileはほとんどのバンドの例に洩れず、最高傑作は初期作品から選定され 、2nd〜4thのいずれかを最高傑作とする声が多いと僕は思います。
海外では4thのAnnihilation Of The Wickedを最高傑作とする意見が特に多く、マニアは2ndのBlack Seeds Of Vengeanceを最高傑作とする傾向があります。
日本では3rdのIn Their Darkened Shrinesを最高傑作とする傾向が強いと僕は思います。
というのも4th以降のドラマーを務め、海外で絶対的な評価を得ているGeourge Kolliasより、3rd時のドラマーのTony Laureanoを支持する人が一定数いるからでしょう。
僕の思い違いかもしれませんが。
そして、Nileの場合、作品のランキングを見ると5thのIthyphallic以降の作品がトップ3に入ることはほとんどありません。
更には5thのIthyphallic又は7thのAt Gates Of Sethuをランキングの最下位にすることが多いのです。ほとんどの場合、どちらも駄作ではないという注釈が付いていますが。
Ithyphallicの評価が低い理由は僕の英語力が低いせいか、レビューを読んでもよくわかりませんでしたが、At The Gates Of Sethuの評価の低さは、主にサウンドプロダクションへの批判のから来ていると僕は思いました。
確かに7thはそれまでのNileのサウンドとはやや異なる独特なプロダクションで、音質にうるさいメタラーの反感を買ったのも理解できます。
しかし、ソングライティングにフォーカスして批判されているようには感じませんでした。
Ithyphallicも同様でソングライティングへの批判は少なく感じます。
ちなみにタイトルのIthyphallicというのはペニスの勃起を意味するラテン語らしく、それが英語圏のファンが感じる不満点かもしれません。
常に同じくらいのクオリティをキープしているNileの作品をランキングする際には、上記のような割とどうでもいい、細かいマイナスポイントがどれくらい含まれているかで、消去法的に最高傑作を選定しているようにも思えますね。
それでは次に僕の個人的な最高傑作とそれに関連するNileの話をしようかと思います。
まず初めに言っておきたいのは、僕はNileの作品をどれもおおよそ同じクオリティだと感じています。
ただし、僕が個人的に感じるNileに対する不満点があり、そこが一般的な意見と相違があり、アルバムに対する評価も一般的評価とかなり変わる部分があります。
それで、僕が感じるNileへの不満点というのがスローテンポ、ミドルテンポの曲と映画のサントラのような曲がつまらないということです。
僕がNileを聴く時に、ほとんど場合において邪魔だと感じるのはこの2タイプの曲です。
そして、Nileのアルバムは例外なくこれらのタイプの曲が含まれています。
おそらくNileがデスメタルバンドとしてここまでの地位を築けたのは、古代エジプトを想起させる仰々しいスロー、ミドルテンポの曲と、映画のサントラを思わせる壮大なインストによるところだと僕は考えていますが、僕はスローテンポの曲やサントラ曲を評価しないスタンスなので、ここの部分で僕と一般的な評価の乖離があります。
僕は民族系の音階(スパニッシュスケールやオリエンタルスケール、又は民族系とは言わないけどハーモニックマイナースケールなど)を使った速い曲だけを僕はNileに求めています。ぶっちゃけ。
そして、スローテンポ曲とサントラ曲をつまらないと考えるスタンスでNileの作品を聴いた場合に、スローで長い曲が3つも含まれている4thと、サントラ系インストが多い2ndは僕にとって最高傑作と言い難くなります。
そして、4thは速い曲もリフがかなり淡白でつまらないと僕は思いますし、2ndは速くても曲の構成などが練られていない作りかけのような曲が多いので、ここのところもマイナスポイントになります。
3rdに関しては、SarcophagusがNileのスローテンポの曲にしては面白いので、2ndや4thより僕の評価は高くなります。
ただ7曲目のサントラ曲や、最後の4部作がつまらないので、そこはやはり大きなマイナスポイントに感じますし、一般的な評価ほど僕の中では良くありません。
2nd、3rd、4thに続いて評価の高い6thのThose Whom The Gods Detestに関しても、やはりスローテンポな5曲目の4th Arra Of Dagonがかなりつまらないことが大きく影響して、僕の評価は高くありませんが、5曲目やサントラ曲を除けば割と良曲が詰まっているように感じます。
そして、そのように評価していくとスローな曲やサントラ曲を含みながらも、全体に短くサラッと走り抜ける1stや、スローテンポの曲のつまらなさは相変わらずなものの、速い曲が面白くなっていて4thのアップデートバージョンとも言える5th、サントラ曲が短くスローテンポの曲もそこまで邪魔にならないし、個人的には音質も気にならない7th、つまらないスローな曲やサントラ曲も例に洩れず入っているが、Evil To Cast Out Evilというキラーチューンがあり、全体的にソリッドで纏まりのある8thは僕の中でかなり評価が高くなっています。
なので、僕にとっての最高傑作はこの4つから選ぶことになります。
ぶっちゃけかなり拮抗していて選ぶのがとても難しいのですが、今回は最高傑作を選ぶ記事なので、今の僕の気分で一つ選びたいと思います。
ズバリ、僕的最高傑作は....
7thのAt Gates Of Sethuです!!
この作品がスローテンポ曲とサントラ曲のウザい度が一番低いと感じたのでこの作品を選びました。
まあ、でも気分によって変わるので明日になれば、1stや5th、8thが一番になるかもしれません。
てなことで、散々長々と前置きを書いた割には合理的な説明なく、気分で最高傑作を選定するという情けない記事になりましたが、お許しください。
追記
僕にとってNileのつまらないポイントがもう一つありました。
これはスローテンポの曲がつまらないことにも起因することなのですが、ずばりドラムのリズムです。
Geourge Kollias参加以降顕著に感じますが、ひたすら単調にバスドラムを踏み続けるスタイルは僕の好みではありません。
適度な隙間のないリズムは、リズムによる高揚感(所謂グルーヴ)を得られにくいと僕は考えています。
Nileの場合、速い曲だとその単調なバスドラムドコドコもあまり気ならないのですが、スローテンポの曲だとリズムのつまらなさが露呈してしまっていると僕は思います。
ブラックミュージックのようにノリノリになってしまってもおかしいと思うので、そこらへんの塩梅は難しいのでしょうが、もっとリズムに面白さがあるといいなと以前から感じていました。
上手いドラマーなのにリズムがつまらないのはなんだか残念なので、今後リズム面での変化があると良いなとNileに期待しています。